Q&A

知財業界 転職Q&A

5. 転職活動と応募対策

Q5-1. 理系の場合、技術分野次第で選考が難しくなるって本当?

バイオ関連は厳しい転職事情

特許事務所は、企業での研究開発経験を重宝することも多く、メーカー技術者→特許事務所、というケースが実際にあります。しかし、経験した技術分野により、選考の難易が大きく変わってきます。 一般的には特許出願が多い分野ほど、明細書作成が増えるため、特許が細分化した、半導体(電気)・機械分野に多くの求人があります。知財お仕事ナビは、ほぼ全国の特許事務所と契約しておりますので、これら漏れのない求人案件のご紹介が可能です。 また、特許事務所に応募する際には、技術分野の見せ方次第で、選考結果が大きく左右されるケースがしばしば御座いますので、弊社、無料転職サポートにてご相談頂けたらと思います。 一方、バイオ分野は1つ1つの特許の範囲が広いため、出願の数が少なく、求人案件はそう多くありません。選考も厳しい状況が予測されますが、近年は、2分野以上の明細書を書ける人材が求められており、化学+バイオなど、別の技術分野から仕事を始めてバイオ案件にも携わる、といったキャリアプランはありえます。

実務経験と年齢のバランスが重要

ただ、ご年齢が行き過ぎている場合などは、たとえ技術分野が重宝されても、未経験者の採用は難しくなりますので、絶対に特許事務所で働きたいというこだわりをお持ちであれば、20代での転職を考えられることをお勧め致します。 また、企業知財部に関しては、どの技術分野が優遇されていると、一概に言えない状況ですが、知財部経験者は積極的に採用されます。これは企業の場合、未経験の転職者を評価する人事制度の構築が難しいためで、厳しい実務経験を要求する求人案件が多いようです。 現在は研究開発に携わっており、知財部の仕事にご興味をお持ちの方は、社内異動を希望して、知財部で実務経験を積むのも 1つ選択肢として、転職活動を捉えて頂くと良いかと思います。

Q5-2. 文系出身でも、弁理士になる道はあるのでしょうか?

知財知識+αが必要

弁理士の主な仕事は、特許・商標・意匠などの出願業務です。文系の方ですと、やはり商標・意匠の仕事を想像されることと思います。 しかし、出願の件数だけ見ると、商標は特許の4分の1、意匠は8分の1で、そもそもの市場がさほど大きくありません。特許であっても技術分野が細分化しているため、理系の方が扱える案件が多いと一概に言える訳ではありませんが、文系の転職希望者は厳しい選考を覚悟しておくべきです。 以上を踏まえて、文系の方は知的財産の知識に加え、何らかの競争力を備える必要があります。例えば英語に関して、商標などの案件に携わると、文書を翻訳するなど相当の読み・書きスキルが求められます。この場合、単にTOEICスコアが良いだけでなく、どれだけ実務の中で英語スキルを磨いてきたかが重要視されます。

特許事務所でパラリーガル?

また、特許事務からキャリアをスタートさせる道もあります。特許事務とは、法律事務所のパラリーガルのようなもので、特許事務所において、弁理士の法律事務を補佐する仕事です。 資格は特に必要ありませんが、日々の業務は弁理士の仕事と密接に関わりますし、商標などの出願は、特許に比べ比較的容易であるため、特許事務が出願業務に携わっているケースも実際にあります。この辺りは、各事務所の方針による処となりますので、詳細に関しては、弊社、無料転職サポートにご相談ください。

Q5-3. 全くの未経験ですが、転職は可能ですか?

見せ方次第で、可能性はある

特許事務所であれば、求職者の研究開発経験・技術分野・人柄次第で、知財関連業務の未経験者が採用されるケースは実際にあります。 実務的な英語力に長けている、業務に必要な緻密さを備えているなど、上手くご自身をアピールされていく必要がありますが、どの経歴・スキルが採用担当者の印象を良くするか、これは各事務所の文化を知ることが必要となってきますので、弊社、無料転職サポートまでご相談くださいませ。

転職は20代のうちに

ただ、ご年齢が行き過ぎている場合などは、たとえ他の条件で秀でていても、未経験の採用は難しくなりますので、絶対に特許事務所で働きたいというこだわりをお持ちであれば、20代での転職を考えられることをお勧め致します。 また、企業知財部への転職は、未経験者の年齢制限が厳しめです。そのため、まずは社内の知財部に配属されて、必要な実務経験を積まれるか、20代のうちから転職を考えられることをお勧め致します。

Q5-4. 資格を取っても、思うように転職ができないって本当?

弁理士資格の前に、まず実務経験

弁理士試験では、知的財産に関する「法律知識」を問います。ところが、特許事務所の業務の大半は、明細書作成という、むしろ「技術の素養」が重要視される仕事です。 十分に明細書が書けた上で、ようやく審判・訴訟処理といった法律業務に携わるチャンスが出てくるので、弁理士資格を取っただけで職が見つかる、という訳ではありません。 そのため弁理士資格を取得する前に、特許事務所にて明細書作成経験を積んでいくのか、知財ファンド・技術移転など未開拓の領域に挑戦するのか、十分にキャリアプランをイメージしておく必要があります。ただ、企業において弁理士が厚遇されるケースは稀であるという事実は、認識しておく必要があります。 また、国家試験移行により、話題になっている知財検定に関しても、専ら企業知財部の実務に関する知識を問う試験ではありますが、取得したからといって、知財部で即戦力になれる訳ではありません。 そのため、今現在は企業により資格手当が付く程度で、以前と同様、転職時には実務経験が重要視される状況です。ただ、業界団体が知財検定の普及を推進していることもあり、今後、風向きが変わることはあるかもしれません。

実際に成功しているケース

いずれにせよ、資格取得はキャリアのスタート地点でありますので、その後、どういった職務経験を積み上げていくかが重要です。実際に、転職カウンセリングの中で、資格の勉強をしながら転職活動を進め、実務に十分に習熟した上で資格を取得した会員の方が、着実にキャリアアップしていく印象を受けております。 特に、ご年齢が行き過ぎている場合などは、たとえ資格を取得しても、実務未経験での選考は厳しくなりますので、絶対に特許事務所で働きたい、というこだわりをお持ちであれば、20代での転職をお考え下さい。

Q5-5. 英語はどれぐらいのレベルが要求されますか?

外国事務と翻訳は、必要な英語力が別モノ?

職種により、求められる英語のレベル・質ともに変わってきます。英語を使う主な職種として、外国事務員と産業翻訳者がありますが、外国事務員の業務としては、外部とのメールのやりとり等を行うコレポン業務が主になり、会話力やビジネス英語力が必要とされます。 産業翻訳者には、技術翻訳者と特許翻訳者の2種類があり、どちらも硬い英語の文章を読み書きするスキルが求められます。 技術翻訳者は既存の技術文献を翻訳する業務が主になり、各分野の技術英語の知識が必要とされます。一方、特許翻訳者には技術英語の読解力に加え、外国の法律知識や、新技術の開発に伴う造語の知識も問われ、高いレベルが要求されます。 外国事務員の採用は、TOEICの点数が900点以上であれば、それだけで能力が高いと判断されることもありますが、産業翻訳、特に特許翻訳となりますと、TOEICの点数だけでなく、実務上の英語力・経験が要求される場合がほとんどです。 弊社にも、しばしば実務経験者向けの求人が届いております。

特許翻訳の難しさ

尚、特許翻訳に関して、以後で更に詳細を述べます。専門的な内容となりますので、不要な方は読み飛ばして下さい。 およそ知財に関わる仕事には、外内業務と内外業務の区分があります。まず外内業務とは、海外の特許明細書を外国語から日本語に翻訳し、日本の特許庁に出願する業務全体のことを指し、技術英語力と、主に日本の法律知識が必要とされます。 内外業務は、特許明細書を日本語から外国語に翻訳し海外の特許庁に出願する業務で、技術英語力、外国の法律知識の他に、非論理的な日本語を論理的な文章に組み替える論理性や、新技術を新しい英単語に翻訳する能力も必要とされるため、その業務範囲は外内業務よりも遙かに広いものとなっています。 特許翻訳の案件を探す場合には、その特許事務所もしくは知財部が、内外および外内、どちらの案件を多く持っているか判断して、ご自身のレベルに合った案件に応募されるのが良いかと考えます。この辺りは、外部から見えない情報も多いかと思いますので、弊社、無料転職サポートまでご相談くださいませ。