知財人材の副業のすすめ

公開日: 2025-03-20

この記事の話し手

上池 睦
企業の知財部門で働きながら、株式会社知財塾の代表取締役社長と知財業務のWebサービス開発を手掛ける会社の役員を務める
2019年に特許事務所で副業を開始。当時は知財の実務経験がなく、スキルもない状態から実務を学ぶために副業に挑戦。最初は時間のやりくりに苦労したものの、次第に切り替えがうまくなり、効率的に動けるように。
異なる仕事を掛け持ちすることで気分転換になり、また本業がうまくいかない時でも、副業が順調なら精神的なバランスを保つことができたと語る。

\最新の求人情報をチェック!/

知財業界における副業

知財業界では、副業として仕事を行える機会が存在しています。特許事務所や企業が、案件ごとに知財実務スキルを持った副業人材に業務を依頼するケースが一般的です。

  • 特許明細書の作成
  • 特許調査
  • スタートアップでの知財支援(専任の知財担当者を採用するほどではないものの、知財に関するサポートを求めるケース


また、イベントの運営やコンテンツ作成など、知財業務以外で自身のスキルを活かして副業を行うケースもあります。

意識すべき4象限

副業を始めるにあたって、自分に合った選択肢を考えるための軸として、以下の4象限を意識すると整理しやすくなります。

 1. スキルあり・本業ではやっていない

会社では活かせていないスキルを使い、自己実現の場として副業を行うパターンです。この場合、自分の得意分野を活かしつつ、新しいチャレンジができるため、比較的スムーズに取り組みやすいというメリットがあります。

2. スキルあり・本業でもやっている

本業で培った専門性を活かして副業を行うケースです。社会に貢献しながら収益化しやすい点がメリットで、信頼性も高いため、クライアントからの依頼を受けやすい特徴があります。一方で、コンフリクトに気を付ける必要があります。

3. スキルなし・本業でやっていない

全く新しい領域にチャレンジするケースで、本業で生活基盤を確保しつつ、副業で新しいスキルを学ぶことができます。ただし、習得には時間がかかるため、本人のモチベーションが重要になります。

4. スキルなし・本業でやっている

本業で経験はあるものの、スキルとしては未熟なケースです。副業を通じて実践経験を積むことが可能ですが、依頼主にとっては「勉強のためにやらせてほしい」というスタンスが敬遠される可能性も。そのため、慎重なアプローチが求められます。ただし、実現できれば本業に還元できる大きな成長機会となります。

この4つの軸を理解した上で、自分に合った副業スタイルを見つけることが成功の鍵となります。

副業を成功させるために大切な3つのこと

副業を続けていくには、「タスク管理」「実行性」「ラストマンシップ」の3つが重要です。

① タスク管理

本業と両立するために、作業工数を見積もり、タスクを分割し、優先順位をつけることが大切です。複数の案件が並行することもあるので、スケジュール管理を徹底しましょう。

② 実行性

業務委託であることがほとんどなので、指示を待つのではなく、自分でやるべきことを定義し、成果を出す必要があります。作業の流れを明確にし、主体的に進めることが求められます。

③ ラストマンシップ

最後までやり切る力のことです。副業は自分自身で価値を提供するものであるため、途中で投げ出さず、最後まで責任を持ってやり遂げることが信頼につながります。

この3つを意識すれば、副業をスムーズに進めることができます。

知財人材の副業のすすめ

知的財産は、事業活動を有利に進めるためのビジネスツールです。そのため、知財の仕事をしていく上では、ビジネスや経営の理解がないと、知財をうまく活用したり戦略を立てたりするのが難しくなります。
副業は、自分のスキルを活かしながら実践的にビジネスを行う場です。「ヒト・モノ・カネ」で成り立っている経営において、副業はその構造を実践できます。「ヒト」は自分自身、「モノ」は提供できる価値、「カネ」はその価値に対する価格設定や収支管理になります。知財人材が副業をすることで、この「ヒト・モノ・カネ」を自分でバランスよく考える経験ができるのです。
こうした経験を積むことで、自然と経営視点が身に付いていきます。そのため、知財人材の方には副業をぜひおすすめしたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました!
知財塾ではお気軽に無料キャリア相談をお申込みいただけます。