実務修習って何するの?令和5年合格・若手弁理士に聞く、修習のリアルとキャリアアップのヒント

公開日: 2025-11-10

弁理士試験合格のその先にある「実務修習」。
「具体的にどんなことをやるの?」「仕事と両立できる?」「終えたあとに何が変わる?」──そんな不安や疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回は、令和5年に試験に合格し、実務修習を経て弁理士登録をされた若手弁理士の方にインタビュー!
お仕事と勉強の両立から、修習のスケジュール感、受けて良かったポイントまで、リアルな声をお届けします🎤

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これまでのキャリア:知財一本で、特許からスタート

新卒で知財業界に入り、最初の2年間は特許調査を担当。
その後、出願・権利化の部署に異動してさらに2年、さらに親会社での知財業務を経て、今の職場に転職。
現在は特許出願・権利化、調査などを幅広く担当中
知財実務を積み重ねる中で「やっぱり弁理士としての専門性も持っておきたい」と思い立ち、令和5年に受験・合格!

社会人受験のリアル:最大の敵は「継続力」

📌 勉強の壁①:細かくて重たい内容

試験で問われる内容はかなり細かく、仕事をしながら覚えては忘れ、また覚えるの繰り返し。
「インプットと復習をどう回していくか」がとにかく大変だったそうです。

📌 勉強の壁②:時間確保とモチベーション維持

最大の工夫は「朝活スタイル」。
平日は朝型に切り替え、出勤前に勉強時間を確保
土日は6時間の予備校授業+自習室にこもって一日中勉強するなど、オン・オフを切り替えて取り組んだとのこと。

実務修習のはじまり:未経験でも安心の設計

📌 不安だったこと

意匠・商標の実務経験がなかったため、「ついていけるかな…」という不安は大きかったそう。
ただ、実際には“未経験者にも配慮された構成”で、
「ちゃんと基礎からステップを踏んで進めてくれる内容だった」とのこと。

📌 事前準備は不要?

特別な準備は不要だった」とのこと。
むしろ、与えられたカリキュラムに素直に取り組むことが重要だったようです。

実務修習の全体像:オンライン×ハンズオン形式で実践的に

実務修習は12月〜翌2月末までの約3ヶ月間。
内容は大きく2つに分かれます:

✅ Zoom集合研修

・課題提出 → 講義 → ディスカッション → フィードバック
・カメラオフや表情が見えないと注意されることもあり、程よい緊張感あり💦
・特許・意匠・商標ごとに2〜3テーマずつの実務課題があり、請求項・明細書・意見書・補正書など、書面作成も本格的!

✅ Eラーニング

・自分のペースで受講可能
・動画、教材ともに課題にヒントを与える構成で、見極めが重要
・修習全体をスムーズに進めるための「予習」としても活用できる📚

忙しい年末年始…最大の敵は“締切”😱

とにかく締切が厳しい!
集合研修の日程に合わせて課題提出が求められ、1日遅れでもアウト
・冬休み中は集中できても、年始の業務再開と同時に両立がきつくなる
・毎週の締切に追われ、Eラーニングの優先順位付けが勝負の分かれ目
・「課題に関係ある教材か?」「どれくらい時間がかかりそうか?」を見極めて、逆算してスケジューリング!

📌 工夫ポイント
・スケジュール帳やToDo管理アプリを駆使
・隙間時間に動画を見る
・自分なりに「ここまでは終わらせておくライン」を設定

今回は、実際に集合研修起案を作成されていたときのスケジュールを教えていただきました。


毎週なにかしらの期限があり、年末年始でも気を抜けないのが分かりますね…上手なスケジュール管理が鍵になってきます!

振り返って思う「もう少し作り込めたかも」の本音

「もっと時間があれば、課題にもっとこだわりたかった」とのこと。
内容が濃い分、取り組みがいがあり、逆に「消化するだけで精一杯」になってしまう人も多いかもしれません。
時間と体力があれば、“もう一歩踏み込んだアウトプット”に挑戦する価値あり

修習で得た、“すぐに動かせる”スキルと視点

知識というより“動かせる力”が身についた」。
特に意匠や商標といった未経験分野も、流れを押さえておくことで、
担当する仕事の幅がぐっと広がった」と感じているそうです。

「この分野もお願いできる?」が増えていく日々

登録後、社内では「意匠や商標も扱える人」として頼られる場面が増加。
特許偏重の社内構成の中で、周囲との差別化にもつながったとのこと。
・「弁理士登録+修習修了」は、実力と信頼の両方を得る武器になる
・「合格して終わり」ではなく、「登録後すぐに活躍できる」準備期間でもある

これから修習を受ける人へ📣

「大変だけど、それ以上に得るものが多い修習です」
課題は本当にタイトですが、
長年実務で活躍してきた弁理士の先生方が「新人に本当に知っておいてほしいこと」を、厳選して詰め込んでくれたカリキュラム。
・受ける前に必要なのは“完璧な準備”よりも“素直な取り組み”
・やりきった先に、実務で即役立つスキルがちゃんと残る

弁理士を目指す人へ

「正直、試験も修習もめちゃくちゃ大変です。でも……」
それでも挑戦してよかったと語る理由は、次の3つ:
・📍 試験合格後に生まれる“同期との絆”
・📍 実務を土台から理解できる“安心感”
・📍 登録後すぐに実務に入れる“即戦力化”

試験に合格したあとこそ、知財キャリアは広がります。
「資格を取る」から、「力として活かす」へ。
そんなステップを踏みたい方にとって、実務修習は絶好のチャンスです。

最後までお読みいただきありがとうございました!
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